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高齢者・口腔保健・ガイドライン

高齢者・口腔保健・ガイドライン

概要

特定健康診査は、自身の健康状態を知って保健行動を起こす契機になると考えられているが、対象者の約 77%は特定保健指導を受けていない。本研究は、糖尿病重症化予防に焦点をあて、下記のように行動科学理論に基づき分析を進めながら ICT を活用した AI 支援型「人々を惹きつける」特定保健指導システムを構築し保健指導利用率向上を目指す。

1.現状分析
1)保健師の実践知と支援ニーズの抽出
2) 特定保健指導未利用者に対する行動インサイト調査

2.戦略開発 対象者層への 1)コミュニケーション戦略分析、2)STP 分析

3.プログラム開発
1)1、2より介入戦略のためのコンセプト/メッセージ作成
2)重症化予測に基づく AI ボットチャットアプリ開発
3)セルフケア力を引き出す保健指導モデル開発

4.特定保健指導システムの実装

5.評価(保健指導利用率、身体的指標、健康行動など)と改善

 

研究の目的

糖尿病重症化予防を目指し、特定健康診査で要指導となった人々を惹きつける保健指導システムを構築することである。

 

研究計画

 



【令和4年度~令和5年8月】現状分析に基づく戦略開発およびプログラム開発

 

1.現状分析

1)糖尿病関連特定保健指導に関する保健師らの実践知の抽出と支援ニーズの明確化
糖尿病について保健指導を行っている保健師を対象にフォーカスグループインタビュー(FGI)を行い、保健指導によって行動変容が起きた事例と支援ニーズについて尋ねる。

2)特定保健指導未利用者に対する行動インサイト調査
特定保健指導未利用者で糖尿病リスクが高い方を対象に行う。健診結果の受け止め方、保健指導を希望しない価値観や深層心理、現在最も関心のあること等を明らかにする。この結果から、保健指導利用に関連する要因を抽出する。

 

2.戦略開発

1)コミュニケーション戦略分析
対象者に保健指導がどのようなイメージで伝えられているかを知るために、未利用者の属性等から支持されている雑誌や市の広報誌や健康雑誌、パンフレット等を調べ、特定保健指導に関してどのようなメッセージが出され広報されているかを分析する。

2)STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)分析
① 価値観や地域生活環境等の特性による対象者のセグメンテーション
効果的な介入案を検討するため対象集団を価値観や地域生活環境などの特性からいくつかのパターンにわける。
② ①の分析に基づくターゲティング
③ ポジショニング
①、②の結果を担当保健師らと協議し、糖尿病リスクが高い保健指導未利用の行動モデルを検討する。そして、プログラム開発の方向性を決定する。

 

3.プログラム開発

1)介入のためのコンセプト/メッセージ作成
1、2の分析結果に基づき、セグメント化したグループへの介入コンセプト/メッセージを作成する。その際、対象者にとっての利益、Accepter Consumer Belief(利益の重要度を上げるような情報や刺激)、Reason to Believe(利益が実現されると信じる理由)が含まれるように、ナッジ理論を活用し作成する。

2)重症化予測に基づく AI ボットアプリ開発
①経時的ビッグデータ(特定健康診査、KDB データ等)による重症化予測アプリ開発
長期経時的ビッグデータ(特定健康診査、KDB データ等)による将来予測と自己達成成果やQOL との連関を AI アプリで可視化し、将来の QOL 向上に資する行動を自己選択するアプリを開発する。
②AI チャットボットアプリ開発
これまでの研究成果(1~3)に基づき AI チャットボットアプリを試作する。試作品について複数の要特定保健指導者や保健師から意見を聞き改善する。

2)セルフマネジメント力を引き出す保健指導モデル開発
これまでの知見を基に、エキスパートパネルを経てモデル構築を行う。

 

【令和5年8月~令和6年7月】特定保健指導システムの実装

 

令和4年度の研究成果に基づくプログラムを、特定保健指導対象者に実装する。

1)キャンペーンの実施
ウェブサイトや広報誌の活用、シンポジュムの開催などを通したキャンペーンの実施

2)住民の健康への関心を惹きつける集団支援の実施(動機付け支援)
重症化予測アプリを活用した長期的な健康課題の見える化、振り返り支援に基づく自己理解の向上、個々の生活背景に応じた目標設定支援に基づく遂行能力の向上をはかる。

3)住民のセルフケア能力を引き出す個別支援・グループ支援の実施(積極的支援)
AI によるチャットボットを活用したモニタリング支援、チャットボットを介した保健師によるタイムリーな課題解決支援を実施する。

 

【令和6年8月~令和7年3月】特定保健指導システムの評価と改善の検討

 

1)評価 次の項目について構築した特定保健指導システムを評価する。
2)改善 上記の結果について専門家らと討議し改善案を検討する。